「鉄の塊」に揺られて

広く浅くゆるくがモットーの乗り物系ブログです。 鉄道・飛行機・船の撮影記や旅行記を中心に書いています。

2019年あんなことこんなこと 伊豆急100系クモハ103引退

2019年6月29日

 

伊豆急行開業時から残る100系クモハ103が今年7月に二度めの引退となりました。

昭和36年の伊豆急行開業時から主力車両として活躍し、平成14年に定期運用を引退。

103 号車1両だけが事業用として残されました。

 

その後、平成23年の創立50周年事業の一環としてこの103号車がイベント車両として本線走行が可能なように復元され、以来貸切専用車両や様々なイベントで運行されてきました。

昭和レトロ漂う貴重な車両としてファンにも人気がありましたが、新型保安装置への更新のため本線走行ができなくなることから、7月7日のラストランをもって二度めの引退となりました。

 

引退を前にした記念イベントとして特別運行が6月下旬から7月7日まで何度か行われ、私もそのうちの一回6月29日分の第1回に参加しました。

 

 

リゾート21黒船電車のロイヤルボックスに乗車して下田へ

 

さて、当日。熱海から伊東線・伊豆急行で一気に伊豆東海岸を南下して伊豆急下田へ。

f:id:ikazuchidddara:20191228093347j:plain

乗る車両は2100系リゾート21黒船電車。

なぜこれなのか?理由は

 

f:id:ikazuchidddara:20191228093411j:plain


あの名物ロイヤルボックス車両が連結されているからです。

トンネルに入ると天井に夜景や星空の照明演出があることで話題になったロイヤルボックスが静岡DCのイベントで期間限定で復活。

4月に一回だけ乗ったことはあるものの、せっかくなので今回もう一度乗車しました。

f:id:ikazuchidddara:20191228093843j:plain

やっぱり人気があって熱海発車時点では満席です。伊東でやっとこさ座れました。

 

f:id:ikazuchidddara:20191228094000j:plain

伊豆急行線内の特定のトンネルに入ると車内が徐々に暗くなり、天井には伊豆の星空を

イメージした照明が点灯しました。

f:id:ikazuchidddara:20191228094029j:plain

f:id:ikazuchidddara:20191228094046j:plain

当時としては相当画期的なアイデアで話題になるのも分かる気がします。

 

最初で最後のクモハ103

 

リゾート21黒船電車のロイヤルボックスを堪能して伊豆急下田に到着。

 

待つこと20分、受付が始まりました。その時ついでに記念乗車券も購入。 

改札が始まりホームに出ると今回乗るクモハ103がお出迎え。初めて乗る、というか最初で最後のクモハ103ですので、発車時刻まで車内外をあちこち撮って回ります。

 

f:id:ikazuchidddara:20191228094345j:plain

昭和30年代の私鉄車両の特徴を色濃く反映した姿。このクモハ103は単行運転が可能な両運転台車両で前後でフロントフェイスの形状が違うのです。

伊東方はパンタや配線があり少々ごついながらも堂々とした風貌です。

f:id:ikazuchidddara:20191228094405j:plain

こちらは下田方。

 

車内編

外観を見たら次はいよいよクモハ103の車内へと入ります。

f:id:ikazuchidddara:20191228094610j:plain

 

f:id:ikazuchidddara:20191228095241j:plain

昭和36年 東急車輛の銘板。伊豆急開業当時から今に至るまで活躍していた証拠です。

「東急車輛」自体社名変更で過去のものになってしまいましたね。

f:id:ikazuchidddara:20191228095317j:plain

下田寄りの運転台。典型的な当時の国鉄型急行車両を思わせる機器配置で時代を感じさせます。

f:id:ikazuchidddara:20191228095515j:plain

車内はいかにも昭和の香りプンプンな内装です。車内広告も当時のものを復刻したものが飾られたりしています。

平成生まれにはすべてが新鮮。小さな昭和レトロ博物館ですね。

見ての通りまるでデビュー当時の昭和36年から時間が止まったような雰囲気です。

f:id:ikazuchidddara:20191228095558j:plain

一通り撮影したら指定された席に腰かけます。テーブルの下にはお約束のこれ画ついていました。

f:id:ikazuchidddara:20191228095650j:plain

栓抜きです。ペットボトルなんてものがなく瓶入り飲料がメインだった当時の遺物です。使い方の「こじる」の表現が秀逸だと思うのは私だけでしょうか。

 

下田→片瀬白田往路編

 

そして私たちを乗せたクモハ103は伊豆急下田を発車。片瀬白田を目指します。

この日の第1回コースは伊豆急下田と片瀬白田の単純往復のみ。第2回と第3回は伊豆急下田駅での撮影会付きですが、人気が高そうだなと思い比較的当選しそうな第1回に応募したのです。

やはりというか1回目はなんと応募者全員当選、3人も余りが出たほどだとか。

f:id:ikazuchidddara:20191228100014j:plain

1駅走って最初は蓮台寺に停車。この駅では251系スーパービュー踊り子と8000系普通と交換します。

待ち時間に撮影ができるようにとドアを開放してくれたので伊東方を撮影。そんな中伊東方を撮影。

ヘッドマークに加え、発車前には装着されていなかった急行の愛称板が装着されていました。

 

蓮台寺駅を発車後は片瀬白田までノンストップ。

トンネルあり山あり海ありの東海岸の景色を、梅雨空ながらクモハ103の車内からしっかり堪能。途中同乗のスタッフの方がこんなものを持ってきてくれました。

f:id:ikazuchidddara:20191228100922j:plain

ダッチングマシンです。硬券に日付を入れる機械で、赤い矢印の方向へスライドさせると日付が入るのです。うまく入れるにはコツがいるそうで、私もやってみましたが

f:id:ikazuchidddara:20191228100940j:plain

…ちょっとずれた。

f:id:ikazuchidddara:20191228101010j:plain

伊豆急線ハイライトの白田海岸の景色。本来なら伊豆諸島が見えるはず…。

片瀬白田駅にて

 

梅雨空の伊豆東海岸を独特なモーター音を響かせながら他の車両に負けない力走ぶりを見せて、約31分ほどで海沿いの片瀬白田駅に到着しました。

f:id:ikazuchidddara:20191228100121j:plain

片瀬白田といえば、伊豆急随一のビュースポット!本来なら伊豆諸島の大島はもちろん、天気がいいと神津島や三宅島まで見えるのです。

が、見ての通りあいにくのお天気で、伊豆諸島は見えません。

 

ここで30分ほど停車します。停車時間を利用してあちこち見て回ることにします。

f:id:ikazuchidddara:20191228101701j:plain

伊豆急下田寄りの顔。おっとりとした風貌です。

f:id:ikazuchidddara:20191228102122j:plain

伊東寄りはパンタがいいアクセントになって堂々とした姿です。

電車の印象でパンタの有り無しが一つの重要な要素であることが分かりますね。

ちょうどリゾート21のキンメ電車と並びました。

雨にもかかわらずホームへ出て行ってしまって、ガラガラの車内。チャンスとばかりに1枚撮りました。

f:id:ikazuchidddara:20191228102411j:plain

車端部ロングとボックスクロスという国鉄急行型車両を思わせる座席配置に内装の色づかいとシート形状、まさに昭和30年代という時代を反映しています。

f:id:ikazuchidddara:20191228102614j:plain

天井には扇風機。真ん中にはもういかにもっていう広告入りです。実はクモハ103はデビュー当時からずーっと冷房化がされておらず空調は扇風機のみ。つまり猛暑となれば…過酷なものになるのは間違いありません。

しかし、この日は梅雨末期とあって一日雨だったこともあり気温は思ったほど上がらず。
伊豆急の方も暑さ対策で冷凍ペットボトルのお茶を用意したのですが、見事当てが外れてしまいました。
もし30℃以上の真夏日だったらと考えるとその点だけは天気に救われたかもしれません。

f:id:ikazuchidddara:20191228103336j:plain

発車直前に再び下田方先頭車を見ると、いつの間にか行先表示板が変えられていました。今度は「熱海⇔伊豆急下田」です。

 

復路片瀬白田→伊豆急下田

 

約30分の停車で12:01に片瀬白田駅を発車して伊豆急下田へ向けて走り始めます。

復路も国鉄型を思わせる100系独特のモーター音を響かせて快走。デビューから58年近く経った今でも他の現役車輛に負けない走りっぷりを見せるとまだまだ活躍できそうな気がしますが…結局は時代と技術の波に押されてしまうのですね。

 

復路は稲梓駅に停車。185系特急踊り子と交換するのだとか。

ついに置き換えが決まった185系とのこのショットはもう撮れないもの。2分停車ながら雨の中ホームに出て狙うことに。

 

稲梓駅は山んなかの無人駅。利用者数は伊豆急一少ないという伊豆一の秘境駅です。

一体誰が乗り降りするんだ?

f:id:ikazuchidddara:20191228104142j:plain

微妙なできながら撮れました。交換相手はトップナンバー込みのA1編成でした。

 

伊豆急下田駅で

 

そして往復約1時間半という短いながらも伊豆急下田駅に到着しました。

この後は第2回目の参加者を乗せて再び片瀬白田間を往復します。

 

車両を降りてクモハ103とお別れしてホームに出るとラストにふさわしいサプライズが!

f:id:ikazuchidddara:20191228104347j:plain

なんと下田でも185系踊り子との並びが実現しました。

f:id:ikazuchidddara:20191228105434j:plain

さらに…251系スーパービュー踊り子との3Sまで!

 

3本ともいずれ引退して伊豆急からいなくなる運命。引退前の夢の競演を最後に撮れて、撮影会なしでも十分満足できました。

 

最後に

 

この100系クモハ103ですが、7月7日のラストランをもって二度目の現役引退となり、現在は伊豆高原駅の引き上げ線にひっそりと留置されています。

今後は電車区の一般公開で公開される可能性もあるそうですが、具体的な処遇は未定とのこと。

昭和30年代の電車の特徴を色濃く残す貴重な文化財級の車両なだけに、ぜひスクラップにせずいつまでもいい状態で保存してもらいたいものです。

 

 

おまけ

f:id:ikazuchidddara:20191228105453j:plain

今回のイベントでもらった記念品です。

f:id:ikazuchidddara:20191228105508j:plain

ラストラン特別運行の行路票と記念乗車証

f:id:ikazuchidddara:20191228105523j:plain

伊豆急下田駅で購入した記念乗車券。第1弾~3弾まで全て買ってしまいました。